魚の生臭さが苦手、骨を取るのが面倒、調理に手間がかかるなどの理由から、現代の子どもたちは魚を食べる機会が少なくなっています。
しかし、魚には良質なたんぱく質と、豊富なカルシウム、ビタミン類、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった栄養素が豊富に含まれており、子ども達の成長には欠かせない食材です。
中でも青魚に多く含まれているDHAとEPAには、脳の働きを活発にし、記憶力や学習能力を向上させたり、血液をサラサラにしたりする効果があり、育ち盛りの子どもには必要不可欠な栄養素です。
DHAやEPAは、肉類や卵、チーズなどにも含まれていますが、その量はごく僅かで、1日の目安量を補うことはかなり難しいです。
そこで今回は、幼児期の子ども達が、週に何回魚料理を食べれば、DHAとEPAの必要量を満たせるのかを調べてみました。
魚料理のDHAとEPAを含むn-3系脂肪酸の含有量
まずは、様々な魚料理に含まれているDHAとEPAの量を見てみましょう。
文部科学省がまとめた「日本食品標準成分表2023年度版(八訂)」では、各食品のn-3系脂肪酸量が記載されています。
n-3系脂肪酸とは、主にDHAとEPAとα-リノレン酸で、α-リノレン酸は身体の中でDHAやEPAに変換されます。
幼児が1食に食べる魚の刺身や切り身の量を40gと想定して、1食(40g)あたりのn-3系脂肪酸量を示した値が以下になります。
【DHAとEPAを含むn-3系脂肪酸の含有量(1食40gあたり)】
さんまの塩焼き・・・2.0g
いわしの蒲焼(缶詰)・・・1.7g
さばの味噌煮(缶詰)・・・1.3g
うなぎの蒲焼・・・1.2g
鮭(銀鮭)の塩焼き・・・1.0g
ほっけの干物・・・1.0g
アジフライ・・・0.8g
しらす干し・・・0.4g
つみれ・・・0.3g
さつま揚げ・・・0.1g
かまぼこ・・・0.1g
かに風味かまぼこ・・・0.1g
焼きちくわ・・・0.1g
DHAとEPAを含むn-3系脂肪酸の摂取目安量
次に、幼児が1日に摂取する必要のあるDHAとEPAの量を見てみましょう。
厚生労働省がまとめた「日本人の食事摂取基準2020年度版」では、DHAとEPAを含むn-3系脂肪酸の摂取目安量を以下のように定めています。
1~2歳の男性で0.7g/日、女性で0.8g/日
3~5歳の男性で1.1g/日、女性で1.0g/日
6~7歳の男性で1.5g/日、女性で1.3g/日
結論
DHAとEPAの含有量の多い、さんまの塩焼きやいわしの蒲焼なら、幼児が食べる1食の量で1日に必要な量を十分に満たしています。
また、青魚料理以外にも、白身魚やしらす干し、練り製品などにもDHAとEPAが含まれています。
これらのことを考慮すると、青魚を含む様々な魚料理や練り製品などを組み合わせて、週に4日以上の頻度で魚料理を食べるのが好ましいと考えました。
<メニュー例>
月曜日:さんまの塩焼きとカニカマサラダ
水曜日:いわしの蒲焼丼とかまぼこのチーズ焼き
金曜日:さばの味噌煮とじゃこのふりかけごはん
日曜日:アジフライとつみれ汁
魚料理をもっと手軽に!
青魚を含む魚料理や練り製品を週に4日以上食べることが好ましいことが分かりました。
しかし、魚料理は下処理や調理に手間がかかるので、ママやパパからすると作るのが面倒ですよね。
そんな時は、缶詰やお惣菜、すぐに食べられるお刺身などもうまく取り入れましょう。
また、幼児が食べやすいように調理され、やさしい味付けで、温めるだけで食べられる冷凍幼児食「LUCE」のメニューを活用するのも良いですね。
魚が苦手なお子さんには、「白身魚のやさしいマリネ」がオススメ!
やさしい味わいとやわらかい食感で食べやすく、野菜も一緒に摂れるうれしいメニューです。
また、ママやパパには、
「ごほうびパスタ【焦がしガーリック香るしらすのペペロンチーノ】」がオススメ!
こちらは大人向けの贅沢で極上な一品で、日ごろの疲れを吹き飛ばしてくれるおいしさです。
参考文献
・日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 脂肪酸成分表編
(https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html)
・日本人の食事摂取基準(2020年度版)(https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf)
阿知和 りか